datacenterdynamics.comに、風力発電で稼動しているデータセンタの記事が出ていました。計画中という話は目にしたことがありましたが、すでに実現している事業者がいたとは知りませんでした。データセンタの選定要素にグリーンが重要な位置を占めるようになってきましたが、将来的には日本にもこんなデータセンタが登場するのでしょうか。
米国はオレゴン州にあるCanvas Dreamsというデータセンタ事業者は、消費電力をすべて地元の風力発電で賄っているそうです。風力発電というと、日本国内では海岸沿いあたりで小規模にやっているような印象がありますが、データセンタの消費電力を賄うほどの電力を供給できるだけの発電を行っている所が世界にはあるんですね…
オレゴン州はポートランドにある、Portland General Electric (PGE)という電力会社は、Biglow Canyonというところに風力発電基地を持っており、その総発電量は450MWにも及ぶとのことです。更に、合計で100MWもの風力発電の電力を他業者から購入しているとのことで、その力の入れようがわかります。
先日、米国のデータセンタマネージャ的な位置づけにいる方と話す機会がありましたが、その人もグリーンは避けては通れない、というよりは高発熱対応と併せて最重要ファクターであると力説されていました。
ちなみに、その方が見ているデータセンタは10年選手の古いデータセンタで、コスト対効果でできうる限りの対策を採ってみたものの、それでもやはりPUEで1.6程度が限界とのこと。Googleの最新鋭のデータセンタのPUE 1.2という数字は、夢のまた夢という感じだそうです(新造ではないと無理ということ)。
私が知る限りでは、日本国内には利用している電力がクリーンな電力であることを歌っているデータセンタ事業者は存在していないと思いますが、今の世の中の流れからすると、日本でも利用電力の素性が問われるようになる日は遠からず来るのでしょうね…