妻がドコモのL-04Cを発売以来利用していて、これを痛く気に入っています。
この機種の最大の長所はQWERTY配列のハードウェアキーボードがあるという点に尽きるのですが、Blackberryや特殊用途の一部例外を除くと、現在の市場にはQWERTY配列のハードウェアキーボードを搭載した端末は皆無に等しく、気が付いたら2台の予備機を抱えて当分この機種を利用し続けるしかないという状況になってしまっていました。
この機種を利用し続けるのはいいのですが(個人的にも名機だと思いますし)、問題となるのが通信費です。L-04CはFOMA世代の端末なので、LTE = Xi契約のSIMを挿すことはできません。おのずと料金プランもFOMAのものになりますが、スマホとして利用する以上、パケ死しないためには実質パケホーダイ契約が必須となります。このため、事実上パケ・ホーダイフラットが必須になりますが、パケ・ホーダイフラットは月額5,200円(税込みで5,616円)とMVNOが巷にあふれる時代としては考えられないほど高額です。これを何とかしたいとずっと思っていました。
色々検討した結果、目指す理想の姿を以下とすることにしました。
- なんとかしてドコモメールを利用できるようにする
- 現在利用中の調子が悪いL-04C(旧端末)は通話専用とし、新しいL-04C(新端末)をインターネット接続専用端末とする
- 通話専用のSIMはドコモ、インターネット専用のSIMはMVNOとする
- ドコモのメールはIMAP経由で利用することとし、割高なSPモードの定額サービスは切る
この状態にたどり着くまでにやったことをまとめます。
1. MVNOを契約する
何はともあれ、SIMがないと話にならないので、まずSIMを調達します。私自身がすでにOCNモバイルONEを利用していたので、今回はその既存契約に標準SIMを追加契約しました。将来を考えてマイクロSIMかナノSIMにして下駄を履かせるという手もありましたが、予備機もあり当分利用するだろうということで、素直にL-04Cに合った標準SIMにしました。
OCNモバイルONEの場合、容量シェアという契約形態を取ることで、既存契約の利用可能データ量(私の場合110MB/1日)を当該契約に紐づくすべてのSIMでシェアするという条件で、新規にSIMを契約するよりも515円(税込み)割引になります。今回追加したデータSIM(SMSあり)の場合、追加される料金は615円になります。
2. 届いたSIMを新端末に挿入する
OCNからSIMが届いたら、刺さっていたドコモのSIMを抜いてOCNのSIMを新端末に挿し、APNを設定して利用できることを確認します。OCNのSIMには音声契約はありませんが、電話番号はSIMに埋め込まれているので、SMSはその番号で届きます。もし音声契約を追加契約できれば、その番号が電話番号になるでしょう(できませんが…)。
3. 抜いたSIMを別のスマホに刺す
ドコモメールを有効にするには、以下の条件を満たす必要があります。
・SPモード契約があるドコモ契約のSIMが刺さっているスマホから、ドコモのサービスサイトにアクセスして有効化を行う。
・この時アクセスするスマホのOSがAndroid 4.x以上である。
・この時アクセスするスマホがドコモメールの対応機種である必要はない。
特に難しいのが2番目の条件で、標準SIMが挿さりかつAndroid 4.x以上のスマホは、皆無に等しいという現実があります。ちなみに少し前までは、上記に加えて
・この時アクセスするスマホは、ドコモから発売されたものである。
という条件もありましたが、この条件はSPモードの(= IMEI)解放によって取り払われました。管理人の手元には運よくNexus S(標準SIMでAndroid Ver.4.1.2)があったので、これに抜いたドコモのSIMを挿します。アクセスポイントとしてSPモードを設定したら普通にデータ通信ができましたが、これはIMEI解放のおかげです。
4. ドコモのサービスサイトにアクセスしてドコモメールを有効にする
前述のとおり、Android Ver.2.2を搭載するL-04Cでドコモメールを有効にすることはできません。試みると”この端末はドコモメールに対応していません”と怒られます。しかし、ドコモのSIMを挿したNexus SでドコモのサービスサイトにSPモード経由でアクセスしたところ、無事有効化が出来ました。Nexus Sはドコモメール対応機種ではないので、機種名で判断していないことは明らかです。おそらくUser Agentに含まれるAndroidのバージョンを見ているのでしょう。
この時点で、ドコモSIMの存在意義は音声通話ができるという点、そしてメールアドレス維持のためのSPモード契約があるという2点のみになります。Nexus Sに挿入されているドコモのSIMを旧端末に戻し、旧端末は音声専用端末とします。
5. 新端末にCosmosiaをインストールする
これでめでたくドコモメールが有効になったわけですが、L-04Cでドコモメールのアプリは利用できません。しかし、ドコモメールはIMAP4経由で読み書きできるので、LC-04Cで利用できるIMAP4対応のメールソフトを導入すればいいことになります。当初はK9 mailを利用する気で導入してみたのですが、どうしても絵文字がうまく出ませんでした。Google Play版だけでなく、開発元のWebページからAndroid 2.2対応のAPKを落として入れたりもしたのですがどうしても解決しなかったので、次点だったCosmosiaを試してみることにしました。
CosmosiaはSPモードメールとの親和性も高く、本当はこれがよかったのですが、現在Google Playで公開されているのはAndoroid 2.2に対応していないため、見送っていました。しかし、背に腹は代えられないので、Android 2.2でも動作する旧バージョンの野良APKを落としてきて(詳細はあえて書きません)入れたら、見事に動作してくれました。広告が少々邪魔ですが、妻が気にしていないようなのでいいことにしています。
6. SPモードメールのデータをCosmosiaに移行する
結論から書くと、このページで紹介されている方法でうまくいきました。最初はSDカードバックアップを利用して移行しようとしたのですが、待てど暮らせどメールの件数カウントが終了しなかったので、前述の方法を取るに至りました。
7. パケ・ホーダイフラットを解約する
最後に、不要となったパケ・ホーダイフラットを解約します。メールアドレスは残す必要があるのでSPモードは解約しません。また、パケ・ホーダイフラットの解約はMy Docomoからはできないため、151に電話をして解約する必要があるのですが、これがいくらやっても繋がりませんでした(月末だったためでしょう)。とりあえずMy Docomoでパケ・ホーダイダブルに変更しておきました。これだけでも月額5,200円が月額400円になります。
8. パケット漏れがなくなるような設定を入れる
この時点で、旧端末に挿さっているドコモSIMには、SPモード契約 + パケ・ホーダイダブルという状態になりました。何もしなければ月額400円ではありますが、油断しているとパケホーダイフラット以上の月額5,700円の支払いが発生する可能性があります。また、パケ・ホーダイダブルを解約すると、事実上青天井の請求が来る可能性さえあります。
SPモード経由でのパケット通信を根絶するため、APNからSPモードを削除しておきます。これで何をやってもSPモードに接続されることはなくなります。
ここまでの手順で、当初に掲げた目標を達成できました。
- なんとかしてドコモメールを利用できるようにする
→ L04-Cでは不可能であったドコモメールの有効化を、Nexus Sを利用することで実現 - 現在利用中の調子が悪いL-04C(旧端末)は通話専用とし、新しいL-04C(新端末)をインターネット接続専用端末とする
- 通話専用のSIMはドコモ、インターネット専用のSIMはMVNOとする
→ 旧端末にはドコモのSIM + SPモード + パケ・ホーダイダブル、新端末にはOCNモバイルONE(データSIM)を挿入 - ドコモのメールはIMAP経由で利用することとし、割高なSPモードの定額サービスは切る
→ Cosmosiaを利用してIMAP経由でドコモのアドレスのメールを読み書き
この結果、月額にして5,616円(パケ・ホーダイフラット) – 615円(OCNモバイルONEのSMSありデータSIM) – 432円(パケ・ホーダイダブル) = 4,569円(税込み、パケ・ホーダイダブルを解約できれば5,001円)節約できたことになります。端末2台持ちにはなりましたが、絵文字を含めたキャリアメールをほぼ従前と同じように利用でき、また通話に関しても家族間は無料のため、こちらの使い勝手も全く変わっていません。妻も満足しているようで、めでたしめでたしです。
管理者様
私にとって大変有益な情報をありがとございます。質問させていただきたくメールをいたしました。
私も管理者様と同様、PC、スマホ、タブレット等でドコモメールを利用しようと考え、ネット上の情報を頼りにここ数日試みました。ガラケーの契約状態は、タイプシンプルバリュー、パケホーダイシンプル、spモード(iモード契約可)、docomo ID 取得済という状態です。諸兄のWeb情報に、ドコモメールの利用設定のために、「iモード契約(通信)のドコモスマホが必須とありましたが、取り敢えず手元にNexus5(Android6.0.1)があるので、モバイルネットワークとしてspmodeを追加設定の後ガラケーのMicro simを挿してみましたが、時たまアンテナが2本程たっても直ぐ消えた状態となりsimが持続的に認識されませんでした。それで、しかたなくFOMA通信可能なドコモの白ロムを物色し始めました。もしやと思いもう一度Webを検索していたところ貴兄のページにたどり着きました。
管理者様は、最も厄介で難易度の高いドコモメールの利用設定に、ドコモのスマホではなくNexus Sを利用して見事成功されたとの情報に驚いています。そこで質問ですが、Nexus 5では不可能なのでしょうか? 何か特別な設定のコツがあるのでしょうか?
ご教示いただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。
leo4519
leo4519さん、
コメントありがとうございます、管理人です。
本記事が参考になっているとのことで何よりです。
ご質問頂いている件について、私がわかる限りでコメントさせていただきます。
まず、Nexus5でもAPNを設定すればSPモード経由でインターネット接続できるはずです。
#設定例は”Nexus5 spmode”でgoogle検索すれば色々出てくると思います。
アンテナが不安定とのことですが、SIMを挿した状態で電源をoff/onしてみたり、
しばらく放置しておくと安定する場合があるので、試してみてはいかがでしょうか。
また、あくまで参考ですが、類似の状況に対する解決策の例がありましたのでご確認下さい。
http://grum.hatenablog.com/entry/2015/02/23/002536
SPモードにさえ接続できれば、ドコモメールへの切り替えは間違いなくできるはずです。
もう少し頑張ってみてください!
管理人様
早速のReplyありがとうございます。
現在、ご教示いただいた情報等を参考に、Nexus5の既設定APNを削除・再設定を行うなど早速再挑戦していますが、今の所spモードでの接続は出来ない状態です。明日以降、教えていただいたWebやその他の検索などを行い、何とか続けてみたいと思っています。ありがとうございました。当方の結末は、また報告させていただきます。
*類似の状況解決の参考にと示していただいたURLに書かれている、「開発者向けオプションのランタイムを Dalvik ⇒ ART に変える」という操作を実施してみようと思うのですが、私のNexus5の現状では、「開発者向けオプションで“ランタイム”」の項目が見当たりません。この原因を検索したりとやたら時間を費やしています。めげそうです!!
leo4519