京东の配送 (2023/1/14現在)

 つい先ほど、注文したOneplus 11が自宅に到着しました。AliExpress Standard Shippingの利用でほぼ送料無料となるAliExpressとは異なり、京东は基本的に送料が有料で、しかも複数の選択肢があります。私は先達の情報を参考にしつつも、あまりよく条件を確認せずに勢いで発送条件を設定してしまいました。あとでちょっとだけそれを反省して真面目に調査したので、その結果を以下に整理しておきます。

京东の配送ルート

 前述した通り、京东の配送手段は基本的に共同配送か直送の二択です。改めて京东の海外配送の説明を確認すると、以下の配送図が掲載されています。

 上が直送、下が共同配送になります。それぞれの言葉を簡単にまとめておくと、

  • 直邮 : 直接配送
    • 网站下单 : Webサイトでの発注
    • 仓库发货 : 倉庫への配送
    • 送货上门/自提 : 宅配・引き取り
  • 集运 : 共同配送
    • 集运仓签收称重 : 混載倉庫への集積
    • 支付跨境运费 : 越境配送の支払い

 となっています。いずれも中国国内の倉庫への配送は京东が直接行い、そこから先は越境配送業社 (直送の場合はFedEx、共同配送の場合は、配送手段に合わせた中国の業者) が配送を引き継ぐようです。後述しますが、実際は直接配送でも混載倉庫を経由したりするので、あくまで考え方だと思ってください。

京东の配送日数

 日本についての記載はありませんが、次のように書かれています。

簡単に書くと以下の通りです。

  • 官方直邮 (公式直送)
    • 10〜20営業日でお届け
  • 集运空运 / 标准 (共同航空輸送 / 標準)
    • 混載倉庫を出てから7〜20営業日でお届け
  • 集运海运 (共同海上輸送)
    • アメリカ・オーストラリア : 25〜35営業日
    • ニュージーランド・マレーシア : 10〜15営業日
    • 韓国 : 7〜10営業日以内でお届け
  • 注意事項
    • 中国および輸入国・地域の通関速度の影響を受けるため、当該国・地域の祝祭日、大セールが開催されているなどの場合、納期が遅れます。

 注意事項ですが、具体的には京东の創業祭となる6月18日前後、中国全土で大セールが繰り広げられる11月11日 (独身の日) 前後、中国の正月に相当する春節の時期 (1月末〜2月頭頃) が該当するということになるはずです。なお、配送日数は中国の物流が滞っていた時期の数値のようで、少なくとも公式直送についてはもっと早く届きます (後述)。

京东の配送料金

 海外配送には複数の選択肢があり、それぞれに異なる料金が設定されています。日本に配送する場合の標準料金は以下の通りです。なお、購入する商品によって、利用可能な選択肢が限定される場合もあります (Oneplus 11の時は “三方集运-空运” は選択肢に出ませんでした)。

上図の意味を簡単に整理すると以下の通りです。

  • 官方直邮 (公式直送)
    • 129人民元 (〜1kg)
    • 42人民元 (1kg以上の超過1kg毎につき)
  • 三方集运-空运 (三社混載 – 空輸)
    • 45人民元 (〜1kg)
    • 14人民元 (1kg以上の超過0.5kg毎につき)
    • 配送サービス事業者 : 悦通国际物流
  • 官方集运-空运经济 (公式共同配送 – エコノミー航空輸送)
    • 50人民元 (〜1kg)
    • 15人民元 (1kg以上の超過0.5kg毎につき)
    • サービス事業者 : 上海捷利货运有限公司捷利货运 (SJL EXPRESS)
重量官方直邮三方集运-空运官方集运-空运经济
〜1.0kg1294550
1.0kg〜1.5kg1715965
1.5kg〜2.0kg1717380
2.0kg〜2.5kg2138795
2.5kg〜3.0kg213101110
3.0kg〜3.5kg245115125
3.5kg〜4.0kg245129140
4.0kg〜4.5kg287143155

 基本的に三方集运がもっとも安価で、重くなればなるほど官方集运との価格差が広がってゆき、また官方直邮との差はそれ以上の速度で拡大します。

 価格だけ見ると共同配送の方が圧倒的にお得ですが、共同配送は混載倉庫に注文の品が届いた時点で追加手続きが必要になるため注意が必要です。具体的には、次のみなし重量に従った追加料金の支払い (ある場合のみ) と、何らかの発送手続きが必要になるようです。

みなし重量

 商品購入と同時に支払う送料は、製品重量に対応した配送料 (上表) になります。それとは別に、商品が混載倉庫に到着した時点で外箱ベースでみなし重量を計算、それが製品重量を上回っていたら、追加料金を払うことになります。

 みなし重量とは、密度が低い (かさばる) 商品に対して設定される追加料金のようなものです。端的に言えば、重量は同じでも箱が大きい場合は、発送料金が上がります。宛先が日本の場合、みなし重量は以下の計算式で求めます。

  • 縦 (cm) × 横 (cm) × 高さ (cm) ÷ 係数 = 重量 (kg)

 これで算出されたみなし重量と実際の重量とを比較し、大きい方が料金計算に用いられる重量となります。係数は、配送手段と配送先の国によって異なる値が設定されています。

  • 直邮 (直送)
    • シンガポール、マレーシア、オーストラリア : 6,000
    • それ以外の国と地域 : 5,000
  • 集运 (共同配送)
    • 6,000 (国と地域を問わず)

 たとえば日本でいう100サイズ (たとえば縦30cm, 横40cm, 高さ30cm = 合計100cm) で梱包された商品を日本に配送する場合、直送だと30 x 40 x 30 ÷ 5,000 = 7.2kg相当、同じく共同配送だと30 x 40 x 30 ÷ 6,000 = 6kg相当として扱われることになります (実重量がもっと軽量でも)。

 配送料金についてはこれ以外にも細かい条件がいくつもありますが、日本に送るときに関係があるものだけピックアップして紹介します。

  • 最終的な料金は、決済ページに自動的に表示される (梱包サイズは受注者側しか知り得ないので、当然と言えば当然)。
  • (日本の場合) 最小単位の〜1.0kgが基本料金となり、超過分については四捨五入 (この辺は実際は業者次第のように見える)
  • (決済ページに表示される) 見積価格にはサイズ超過、重量超過、遠隔地追加料金、再送・再出荷料金、関連税などは含まれていない。
  • 荷物の体積や重量によっては、混載倉庫が受け取りを拒否する場合がある。

配送料金表の謎

 上述の通り、係数は直送と共同配送で別の数値が設定されています。しかし、みなし料金の計算式の説明部分のタイトルは “集运计费重 (共同配送の課金重量)” となっており、直配は対象外に見えます。実際、管理人はみなし重量では計算されませんでした。これはどういうことなのでしょうか?

 これが中国国内の話ならまだわかるのですが (京东が直接配送するのであれば、京东が最初からみなし重量で計算できる)、シンガポール・マレーシア・オーストラリアが名指しで上がっているので、国内配送の話でもあり得ません。この謎について、ご存知の方がいらっしゃったらぜひ教えてもらいたいです….

実際の配送

 さて、管理人は今回官方直邮で注文しました。決済画面に出た配送料は官方直邮の最低料金 (〜1.0kg) の129人民元で、その通り決済されて配送が終わっています。製品の発売日である2023/1/9(月)に手付を除いた残金の支払いを行い、その日の夜には出荷されて、1/14(土)の午前に手元に届きました。

 ちなみに、管理人の手元に配送されたOneplus 11を荷姿の状態で外寸を測ってみたところ、縦31cm x 横21cm x 高さ19cmでした (いわゆる60サイズ)。これでみなし重量を計算すると、31 x 21 x 19 ÷ 5,000 = 2.47kgとなりますが、前述の通り最低料金で配達が完了しています。

京东アプリでの追跡状況

 少なくとも最初の段階では、京东のアプリの追跡情報を参照することになります。以下は管理人の注文がたどった経緯です (古いイベントが上に来るよう並べ替えています)。

日時イベント(中国語)イベント(日本語)
2023-01-04 23:42:55您提交了订单,请等待系统确认注文送信、システム確認待ち
2023-01-09 10:22:06您的商品需要从供应商采购,我们会尽快处理,请耐心等待要販売元からの調達、最速で処理するのでお待ちください
2023-01-09 10:22:06您的订单商品备妥后,将尽快为您配送,感谢您的理解和支持!商品が準備出来次第届けるのでお待ちください
2023-01-09 23:51:48您的订单已经进入京东广州仓库准备出库注文商品は広州京東方公司の倉庫に保管済、出荷準備OK
2023-01-10 08:11:48您的订单已经打印完成注文内容印刷完了
2023-01-10 08:20:02拣货完成ピッキング完了
2023-01-10 14:49:47扫描完成スキャニング完了
2023-01-10 14:49:47打包完成包装完了
2023-01-10 15:05:06您的订单在京东【广州九龙散货分拣中心】分拣完成注文品の京东【広州九龍一括仕分センタ】でのピッキング完了
2023-01-11 05:47:58您的订单由京东【广州九龙散货分拣中心】准备送往【广州博展散货分拣中心】注文品は【広州宝山一括仕分センタ】への発送に向けて京东【広州九龍一括仕分センタ】で準備中
2023-01-11 05:47:58您的订单由京东【广州博展散货分拣中心】准备送往【京东专线】【広州宝山一括仕分センタ】での準備が完了、【京东専用ライン】に配送
2023-01-12 00:29:53您的货物已分配给中转仓,货运单号为 : (追跡番号)積替倉庫に到着、追跡番号 : (追跡番号)
2023-01-11 14:52:42已到达集运仓,处理中混載倉庫に到着、処理中
2023-01-11 21:34:52中转仓收到,出口清关处理中積替倉庫で受領、輸出通関手続中
2023-01-11 23:08:05已离开集运仓,前往中转仓混載倉庫から輸送倉庫に移動
2023-01-12 19:50:00包裹出口报关完成注文品の輸出通関完了
2023-01-13 06:21:00到达目的地分拣中心目的地仕分けセンタ到着
2023-01-13 08:48:00目的港海关处理中目的地での通関処理

FedExアプリでの追跡状況

 (追跡番号) が発行された以降の追跡は、その追跡番号を使って行います。これが何の番号かはどこにも書かれていないのですが、外部の追跡サービスなどに番号を入力すると、これがFedExのものであることがわかるので、以降はFedExの追跡情報を見守ることになります。ちなみに、FedExの追跡情報はWebでもアプリでも参照可能です。

 なお、通関に関わる手数料を無料にできるサービスがあるので、面倒でなければアカウントを作って必要な手続きを事前に行なっておきましょう。以下はFedExの追跡情報です。ここは日本語で表示されます。画面上の場所は少しアバウトなので、一部捕捉してあります。

日付時間イベント場所
2023/1/119:22 AM貨物情報がフェデックスに送信されました
2023/1/123:27 PM集荷済み香港元朗区
7:50 PM出荷地のフェデックス営業所を出発香港元朗区
10:20 PM輸送中/処理中香港国際空港
2023/1/135:13 AM輸送中/処理中大阪府泉南市
(関西空港)
6:21 AM仕向地の仕分け施設千葉県成田市
(FedEx成田空港業務本部)
8:48 AM輸送中/処理中通関中東京都江東区
(FedEx 新砂営業所)
2:00 PM国際輸送許可 – 輸入
4:03 PM輸送中/処理中
最終的な配達を行なう認可済み業者に委託
5:59 PM遅延
後日配達リクエスト。
千葉市花見川区
2023/1/1412:37 AM配達完了東京都世田谷区

 みてわかる通り、京东の追跡情報と微妙に被っているところもあればそうでないところもあります。基本的に京东の手は離れているので、FedExでの追跡が参照可能になったらFedExで見る方がいいでしょう。

 さて、FedExは首都圏であれば直接配達 (FedExの車が来て、FedExの人が直接届けてくれる) するケースもあるようですが、管理人の場合は “最終的な配達を行なう認可済み業者に委託” に委託されています。この後、1/13 17:56に郵便局からLINEでお届け予定 (1/14 時間指定なし) が届き、自分で配達時間を指定し、最終的に 1/14 13:00に自宅に到着しました。

AliExpressとの違い

 管理人は京东の利用は初めてですが、AliExpressはこれまでに幾度となく利用してきました。AliExpressで注文する場合、ほとんどの方は配送料無料のAliExpress Standard Shippingを利用すると思います。この配送方式は、たとえ数百円の商品一つでも中国から配送料無料で届くという驚異のサービスですが、とにかく時間がかかります。運が良ければ1週間未満で届くこともありますが、特に人気商品の場合は店舗がなかなか発送しないことも少なからずあります。

 それに比べて、京东の配送は実にしっかりしているという印象を受けました。まず、少なくとも海外配送についてはすべてが有料であること、先達の方々の話を総合するとちゃんと正しく品物を申告している (=関税がかかる) こと、中国国内では自前の物流会社を使っており (多分)、追跡情報の粒度が細いことなどが印象的でした。

 管理人は少なくともAliExpressでスマホを買う気にはなれません。3年ほど前に一度注文したことがあるのですが、注文後1ヶ月経ってもショップが発送を全くせず、結局キャンセルした経験があるからです。配送も無料の標準配送を使うのはちょっと恐ろしいですし (こちらも1ヶ月くらい待った経験あり)、逆に有料の配送はDHLで$30くらいかかるので、正直高すぎます。

 スマホを買うことは数年に一度しかないことではありますが、基本的にガジェット系は大好きな人間なので (昔ほど弄り倒す時間がないのですが)、高価なものを購入する時はまた京东を利用すると思います。

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