メッシュWifiの導入検討

 2024/9/15は5がつく日 & 日曜日ということで、Yahoo!ショッピングがポイント大盤振る舞いだったので、tp-linkのメッシュWifiであるところのDeco XE75 (2台セット) を購入してみました。少し前から問題視していた自宅Wifi環境の改善につながるかどうかを確認してゆきます。

メッシュWifi導入検討の動機

 1ヶ月強前に社用端末のEOL (End Of Life = 保守切れ) に伴う、端末更改がありました。その頃から突然、Teams会議を行なっている間に “ネットワーク品質が悪いため、音声品質も悪い” というような警告が出るようになり、実際に他の参加者からも自分の発言の音量が小さい、あるいはブツブツ途切れながら聞こえる、と言われることが増えるようになりました。自宅とは言えども仕事で利用する環境でもありますので、これはよろしくないなぁ…と思っていたのが一つ目の理由です。

 もう一つの理由が、自室にPS5があり、先日PlayStation Portableを購入したのですが、後者は前者とWifi経由で通信します。利用するゲームの種類にもよるのですが、帯域的は広く遅延が少ない方がいいことは自明です。しかし、後述するように利用場所は2mも離れていないのに、NW的な距離は20mくらい (しかも電波悪い) なので、使い物になるのかなぁ…と思いつつ開封しないままはや1ヶ月が経過してしましました。これもも勿体ないので、NW環境を改善してなんとか利用開始するモチベーションにしたいと思っていました。

仕事部屋 = 自室のWifi環境

 我が仕事部屋 (寝室でもありますが) のWifi環境はいいとは言えません。設置場所は大体以下のような感じです (そのものではありませんが、間取りの大きさと位置関係はほぼこのまま)。赤丸がWifiルータの設置箇所、青丸が社用端末 & PS5設置場所です。

間取りと機器設置場所

 見ればわかるとおり、設置場所と利用場所の関係はかなり悪いです。直線距離はおおよそ10m程度ではありますが、微妙に直線で見通せる位置関係になく、さらに間に扉が2枚あります (空調や仕事の関係で少なくとも片方は常に閉じている)。ついでに言うと、間に電子レンジもあります。壁がコンクリートではないのが唯一の救いです。

 現在のWifi親機は、5GHz帯と2.4GHz帯ともに4ストリームであることを重視して2020年に購入した、Aterm WG2600HP4です。その前に利用していた2×2のAterm WG1200HP4 (2017年購入)では部屋まで電波が届かず、キッチン側の扉の下あたりにあるコンセントに中継機 (Aterm W1200EX) を設置していました。

 青丸の場所で利用している、現在この記事を書いている MacBook Pro (2021) から2.4GHz / 5GHz接続時の接続情報は以下のとおりでした。16インチモデルなので、14インチよりもひょっとしたら気持ちアンテナ感度がいいかもしれません

 (RSSI = 電波強度) – (ノイズ) = (SNR = SN比) の範囲が35から50が理想、10以下はWifi導入には適さない環境とされているようです。上の例だと2.4GHzが10、5GHzが19となるので5GHzの方がまだマシではありますが、ひどい環境であることには違いないと言えるでしょう。ちなみに転送レートはSNRに基づいて決定されるようですが、Macbook Pro (2021)における11n@2.4GHzと11ac@5GHzの最大速度は、それぞれ144Mbpsと866Mbpsとのことですので (参考URL)、かなり残念な状態であることは間違いないようです。

 ちなみにUCSQ優勝賞品のMac mini (2023)はWifi受信力が弱いようで、青丸に設置してもリンクアップすらしなかったため、赤丸の場所で物理で接続して画面共有で利用しています…

なぜメッシュWifiなのか

 端的に言えば、”使ってみたかったから” の一言に尽きます。WIFI6が普及期に入ってきたので親機の買い替えはしてもいいかなと思っていた中で (MacBook ProやMac mini、長女のiPhoneや社用PCなど、宝の持ち腐れになっている機器も多い)、中継機は使っていたことがあるのであまり興味を惹かれる要素はなく、かといって親機だけをよりアンテナが強力な機器に買い換えるのもイマイチだと思っていました。

  実は最初はAtermの最上位機種であるWX11000T12を親機として購入、既存の2400HP4を活用してメッシュWifiを組むのがいいかなと思っていたのですが、調べているうちに実質同型機でないとメッシュWifiは組めない (組めても制約が多い) ことがわかり、これは諦めました。価格もポイント込み込みで3万円前後となかなか高価ですし、発売から2年が経過しているのでそろそろ後継機種が出てもおかしくありませんし….

 メッシュWifiはまだまだ新しい技術であり、EasyMeshという共通規格は一応存在するものの、Atermのそれからもわかるように同一製造元の機器ですら相互接続性に問題があるというのが現状のようです。とはいえ、Wifiが利用できる範囲を “そのまま” 拡大するというコンセプトが、現在直面している問題の解決方法として最適のように見えたので、おそらくはもっとも安定すると思われる、最初からメッシュWifiとしてセットで販売されている機器から選定することとしました。

なぜDeco XE75なのか

 メッシュWifiは比較的新しい技術だけれども世界的にはどうなのだろう…と思って改めて調べてみたら、実はAmazonあたりでよく見かけるtp-linkがWifiルータ市場で圧倒的なシェアを持っている企業であることをここで初めて知りました。世界レベルでシェアがある = まず間違いなく一定の品質があり、その上でコスパがいいはずです。Amazonや様々なレビュー記事を見ても実際そのように見えたので、今回tp-linkの製品から選ぶことにしました。

 もちろん国内メーカーの製品の方がサポート (ページ) が充実している、痒い所に手が届くような機能が色々用意されているなど、いい点もありますが、管理人が求めるのはルーターというよりはアクセスポイントとしてのWifiでしかなく (通信の制御は、Wifi親機の上位に設置されているPalo Alto Networks PA-220でやっている)、また一応ネットワークエンジニアで大抵のことは自力で解決できる自信があるので、その辺は度外視しています。

 Decoシリーズには実に様々な機種がありますが、これから購入するのであれば、個人的にはWifi 6E対応は必須だと思っています。6GHz帯の電波に対応しているか否かの差はとても大きいですし、自宅にある機器でもMac mini (2023)や社用端末 (Dell Latitude 5440) はすでに6Eに対応しているのでメリットが享受できます。今後購入するスマートフォンやMacbook Proも、おそらくほぼ漏れなく対応してくるでしょう。Wifiルータのライフサイクルは思いのほか長いので、その時点である程度先を見て機種選定をすべきだと思っています。

 ただ、その一方でさすがにWifi 7は現時点ではオーバースペックだと思っています。最大転送速度は36Gbpsに及びますが、たとえWifi 7で自宅内のネットワークが組めたとしても、アップリンクがついてこないのでインターネットを利用する上では意味がありません。自宅内のストリーミングなどでは威力を発揮するかもしれませんが、少なくとも私や家族がそのような用途で利用することは考えられませんし、6Eで帯域が不足するということも当面はないはずです。

 さて、Decoシリーズの中でWifi 6E “のみに” 対応している機器はどれなのかというと、実は以下の3製品しかありません。

  • Deco XE75
  • Deco XE75 Pro (2024/9/12販売開始)
  • Deco XE200

 製品を比較してみればわかりますが、Deco XE75を基準とした差はおおむね以下の通りです。

  • Deco XE75 Pro :
    • 2.5Gbpsのアップリンク用物理インターフェースがある (XE75は1Gbps)。
  • Deco XE200 :
    • 10Gbpsのアップリンク用物理インターフェースがある
    • アンテナが多く (MU-MIMO 8×8 / ストリーム数 16)、2個パックで~5LDK以上に対応
      (XE75 / XE75 ProはMU-MIMO 2×2 / ストリーム数 6、2個パックで3~5LDKに対応)。
    • (アンテナが強い分) サイズが一回り大きい

 もちろんアンテナは強ければ強いほどいいので、XE200と言いたいところなのですが (サイズは8cmほど高くなるだけなので問題なし)、価格がまったく違います。価格はその時々のキャンペーンの内容などによって異なるので、以下を参照してみてください。左がDeco XE200、右がDeco XE75です (Deco XE75 Proは本稿執筆時点では未掲載)。

 ”(まだECサイトでほとんど見かけない) Deoc XE75 Proを待つという選択肢もある…?” とも一瞬思いましたが、アップリンクが2.5Gbpsになったところで、上位にいるPA-220が1Gbpsにしか対応していませんし、XE75は発売後2年を経てこの価格になりましたが、新発売のXE75 ProがXE75に互する価格で販売されるかというと、おそらくそれはまずないので、XE75で問題ないと判断しました。

販売価格は…?

 実際の購入価格が気になる方もいらっしゃるかと思いますので、管理人がDeco X75 2個パック購入した時の価格をざっくり整理しておきます。

 購入サイトはYahoo!ショッピングです。これは管理人がいわゆる “ソフトバンクの経済圏” にいるからです。Paypayカードこそ持っていませんが、ワイモバイル + Enjoyパックを契約していますので、ポイントはそれなりにノリノリになります (ソフトバンク契約が最強なのですが、スマホを屋外であまり利用しないので格安系で十分)。

 販売価格25,993円から、5が付く日に配布される税込価格2.5万円以上の商品に適用可能な2,000円割引クーポンを適用、これをヤマダデンキYahoo店で購入してPayPayポイント25% = 5,335円相当 + 商品券4% = 865円相当、PayPay残高払い0.5% = 119円相当のポイント還元を受けて、実質価格17,674円でした。2024年9月15日時点では、おそらくこれがほぼ最安値だったと思っています。

 ちなみに2024年9月19日時点では、ヤマダデンキYahoo店での販売価格は24,570円と、1,423円引き下げられていました。ただ、この状態で5がつく日を迎えても2,000円クーポンの適用対象外となるので、差し引き少しお得感が減ったと言うところでしょうか。

 なお、Deco XE200の2個セットの販売価格はXE75のおおよそ3倍 (ヤマダデンキでの販売価格が76,287円)となっています。これでもヤマダデンキが最安値で、他店はそれより少し高いくらいの価格ですが、アップリンクが10Gbpsになる + アンテナが強くなるの2点にそれだけの金額を出せるかというと、少なくとも3LDKの賃貸に住んでいる自分には無理だなと思いました。

他社製品との比較 (一応)

 改めて価格.comでWifi 6EとメッシュWifiに対応した機種を検索してみると、22件しかヒットしませんでした。その中で価格的にDeco XE75に対抗しうるのは、バッファローのAirStation WNR-5400XE6くらいでした (2個セットの最安値で2.38万円)。比較してみるとスペックはAirStationの方が優れているように見えますが (前述の通り私の環境では無意味ですが、アップリンクが2.5Gbpsというのは大きな違い)、なぜか口コミが少なく、評価もよろしくありません。

 レビューなどを眺めてみると、Web管理画面のUIや機能がイマイチと言うのが散見されますが、これは実際に使ってみないとなんとも言えません。ただ、少なくともソフトバンク経済圏にいてメインのECサイトがYahoo!ショッピングの人であれば、価格的にかなり差が出る (Yahoo!ショッピング内での最安値は、2個セットで3万円弱くらい) のは事実なので、そこをどう考えるかだと思います。

 物品が到着して設置したら、その使用感などについて書いてみたいと思っています。

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