昨年4月に滑り込みで楽天モバイル1年間無料 (eSIM) を契約し、長女がずっとそれを iphone でドコモSIMとの二枚挿しで使い続けてきました。しかし無料期間が終了し、それまでの利用形態 (毎月10GB+を利用) とドコモSIMの契約内容 (ギガライト2 1GB上限) とで大きなギャップが発生して使い勝手に問題が出たこと、とってもお得そうなU30ロング割が2022年5月一杯で提供が終わるとのことで、プランを見直すことにしました。
現状ですが、以下の通りとなっています。ちなみに管理人は携帯を持って以来ずっとドコモを利用し続けていて、契約期間は20年+です。家族のスマホも全員ドコモで、更にドコモ光、ドコモ電気、dカードゴールドも契約しているという生粋のドコモ人です。ここでは主契約者である管理人自身と、長女の契約についてのみ採り上げます。
見直し前の契約状況
まず管理人自身の契約です。基本的に屋外では容量を使うような通信はしないでブラウジングだけ、やむを得ないときは無料Wifiを利用することにしているので、大容量のギガホ系ではなくギガライト2を契約しています。最安値にするために1GBで制限もかけています。通話は基本家族間通話しかないので、ドコモの家族間通話 (無料) に頼りきりです。
プラン名 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
(データ通信部分) | ||
ギガライト2 (Step1 : ~1GB) | 2,850円 | 容量超過後は128kbps |
みんなドコモ割 (3回線以上) | -1,000円 | |
dカードお支払割 | -170円 | dカードゴールドで支払い |
SPモード利用料 | 300円 | |
(音声通話部分) | ||
(定額系の契約なし) | – | |
合計金額 | 1,980円 | (税抜き) |
続いて長女の現在プランです。前述の通り、SIMフリーの iphone に下記ドコモSIM + 楽天モバイルeSIM の2枚挿しで利用してきたので、ドコモ側は管理人と同じく最安値のギガライト2 + 1GB制限です。2021年春にスマホ 契約に変更したこともあり、管理人と同じ契約ですが様々な割引が適用されています。
5分間通話無料オプションは無料だからつけただけで、長女も通話のほとんどは家族間通話です。友達とはLINE電話などで話すそうなので、通話と言う意味では私と同じく家族間通話無料だけあればいいという状況です。また、キャリアメールは利用していないので、捨てても問題ないとのこと。
プラン名 | 金額 | 備考 |
---|---|---|
(データ通信部分) | ||
ギガライト2 (Step1 : ~3GB) | 2,850円 | 学割特典で+2GB無料追加 容量超過後は128kbps |
dカードお支払割 | -170円 | dカードゴールドで支払い |
SPモード利用料 | 300円 | |
ずっとはじめてスマホ割 | -1,000円 | |
ドコモのロング学割 (U22特典) | -500円 | |
(音声通話部分) | ||
5分通話無料オプション定額料 | 700円 | |
おしゃべり割 | -700円 | ずっとはじめてスマホ割の附帯 |
合計金額 | 1,480円 | (税抜き) |
これまでの利用状況を見る限り、利用容量はおおむね5~15GB程度に収まっていました(平均8GBくらいか)。実際の通信内容はよくわかりませんが、Youtubeなどを日常的に見ていたらこれでは済まないはずなので、ブラウジングやLINEが中心だと思われます。本人曰く、戯画を使わないようにある程度気を使っているとのこと。
契約の移行先・方法とメリット・デメリット
まずは、検討した内容を自分の頭の整理を兼ねて書いてゆきます。比較的気が付きにくいだろうと思われる & 検討の上で重要だと思われる点については黄色でハイライト、特に重要だと思われる点については赤色太文字にしてあります。
案1 : ドコモの契約をahamoにMNP & 楽天は解約
- メリット :
- 月額2,700円で最大20GBは必要十分 (dカードゴールド払いで最大25GB、容量超過後1Mbps)
- 国内通話5分間が無料で附帯
- ドコモの契約をMNPするので、現在の契約に関わる費用がなくなる
- デメリット :
- 家族間通話無料がなくなる (ファミリー割引のグループの一員とはなれるが、別のファミリー→ahamoの発信は無料対象だが、ahamo→別のファミリーへの発信は無料対象外となる)
- LINEでんわなどで頑張るという手もあるが、うっかり話しすぎる可能性を否定できない
- 結論 :
- 家族間通話の頻度がとても高いので、一度でも話過ぎると通話料が一気にかさむの (22秒/30円なので、仮に10分 = 300秒超過するとそれだけで420円になる) のが厳しい
- 1,100円追加でかけ放題にできるが、基本は家族間通話で無駄に終わる可能性が高い
案2 : ドコモの契約をahamo以外のMVNOにMNP & 楽天は解約
- メリット :
- おおむね料金は安価になる、条件にもよるがahamoよりも安い場合もありそう
- デメリット :
- MVNOの特色が出るのは主に通信料が少ないときで、ある程度行くとあまり差がない
- 家族全体でMNPしない限り、家族間通話無料の実現はほぼ不可能
- 結論 :
- MVNOに完全にMNPするのであれば、部分的とはいえ家族間通話無料が残るahamo以外をあえて選択するだけのメリットがない
案3 : 管理人の契約をギガホプレミアに変更 & 長女の契約をケータイプランに変更 & データプラスのeSIMつけてiPhoneに2枚挿し & 楽天は解約
一応書いておくと、データプラスはドコモが提供しているサービスで、既存のギガライト / ギガホプレミア系の契約と紐づける形でSIM or eSIMを発行すると、月額1,100円で容量をシェアできるというサービスです。本来、スマホ以外のタブレットなどを同一契約で追加利用する時のためのサービスですが、利用端末を登録するわけではないので、おそらく任意の端末で利用できるという前提です。
- メリット :
- ギガホプレミアは60GBまで、データプラス側も30GBまでは速度制限なし (超過後も1Mbps)
- ドコモのキャンペーンで、SIMの新規発行をするとdポイントを10,000ポイントもらえる
- 長女だけでなく管理人側が利用できる容量も増える
- 家族間通話についてはそのまま利用できる
- デメリット :
- 現在の利用状況を考えると60GBを使い切ることはあり得ず、MOTTAINAI
- 様々な割引が最大限適用されており、長女の契約をパケット料金を含まないケータイプランに変更しても、実はコスト的なメリットがほどんどない (1,480円→1,320円)
- 更に、ケータイプランに契約変更するとおしゃべり割が消滅 (対象外の料金プラン)、5分以下の通話も有料となってしまうため、実質的に割高になっているとさえ言える
- 管理人の基本料金が1,980円→4,818円となり、更にデータプラスのSIM利用料も1,100円かかる
- 結論 :
- 容量は増えて通信速度は速くなるかもしれないが、絶対に使いきれないので無駄が多い
- 使い切れないサービスに高い運用コストを支払うのは合理的ではない
案4 : 長女の契約をギガホプレミアに変更 & データプラスをつけて管理人が利用 & 楽天は解約
- メリット :
- 基本的に案3と同じだが、長女であればU30ロング割 (2022/5/31で受付終了) も適用されるため、管理人が契約変更するよりも500円安価になる
- デメリット :
- 管理人の契約はケータイプランに変更できない
- ドコモ側で記録されている最終購入端末がケータイプランに対応したガラケーでないと、契約できないとのこと (ドコモに電話をして確認)
- 長女の最終購入端末はガラケーなので、一応ケータイプランへの変更は可能
- 上記より、運用コストは案3の方が安価になり、この案ならではのメリットがない
- 管理人の契約はケータイプランに変更できない
- 結論 :
- 案3と同じ、気持ち安くはなるが割高であることには変わりない
案5 : ドコモの契約は現状維持 & 楽天モバイルをそのまま利用し続ける
- メリット :
- 速度という面では、楽天モバイルは20GBまでが1,980円、それ以上が無制限で2,980円 (楽天基地局接続の場合、それ以外は速度制限あり) と最高峰
- 実は2022/10末までは実質無料が継続しており、0円で維持しているだけで楽天市場でのポイント上乗せなどのメリットを享受できる
- ドコモの契約には手を付けないので、家族間通話無料はそのまま維持される
- 同様の理由で、ギガライト2の最低容量 (学割込みで3GB) は引き続き利用できる
- デメリット :
- 利用容量を上限を任意に設定する機能がない (公式FAQ)
- ギガライト2を低価格で維持できるのは、ギガプラン上限設定オプションのおかげ
- ドコモの契約には手を付けないので、これまでに比べて楽天の料金が純粋に上乗せになる
- 楽天モバイルには家族間で容量を共有するデータシェア的なプランがないので (かつてはあったが現在新規加入不可)、容量を効率的に利用することができない
- 容量無制限 & 容量シェアは本質的に両立しないので、将来的に家族間で容量シェアをしてトータルコストを抑えることを考えるのであれば、無制限系のサービスを契約するべきではない
- 利用容量を上限を任意に設定する機能がない (公式FAQ)
- 結論 :
- 恒常的に30GB~を毎月利用するのであれば、2枚挿しの2枚目としてとてもいいプランなのだろうが、5~15GB程度で毎月1,980円はちょっと割高に思える
案6 : 楽天から別のMVNOのデータプランにMNPする & iPhoneに2枚挿しする (& 追加SIMを発行して管理人や他の家族も2枚挿しする)
- メリット :
- 相対的に通信速度は遅くなるかもしれないが、その分料金を抑えることができる
- 仮に容量が不足しても、ギガライト2の容量超過時の低速モード (128Kbps) よりも高速で通信できるMVNOはいくつもある
- とはいえ128kは苦しいので、基本的に低速モードに突入しないように考える
- ドコモの契約はギガライト2のままなので、ギガライト2の容量も有効活用できる
- 容量シェアがあれば、将来的に家族のモバイル通信利用料の節約にも繋がる
- シェアサービスを提供しているMVNOは限られているので、最初によく考える必要がある
- 相対的に通信速度は遅くなるかもしれないが、その分料金を抑えることができる
- デメリット :
- iPhoneの1枚目はドコモの物理SIMになるため、2枚目はeSIMである必要がある
- やってみないとわからないが、ドコモ側に記録が残っている長女の契約の最終購入端末はガラケーなので、eSIM契約を断られてもおかしくない
- 本来eSIMへの変更はオンラインでもできるはずだが、現時点で当該サービスは停止されている
- MNPでeSIMを申し込むことができるMVNO事業者がみあたらない
- ドコモはオンラインで申し込み可能なので (現在停止中)、制度上できないわけではなさそう
- MNPと同時に端末購入しない限りMNPのメリットは薄いので、データ通信に限れば (≒電話番号が変わってもよければ) 新規契約 & 楽天モバイル解約でも問題なさそう
- iPhoneの1枚目はドコモの物理SIMになるため、2枚目はeSIMである必要がある
- 結論 :
- eSIMの発行さえ可能であれば、この案が一番合理的内容に見える
- 中長期的に見るとギガライト2の1GBを見直す必要が早々に発生する可能性が高いので、この時点で容量シェアを視野に入れておくのが望ましい
求める条件の再整理
ここまでとりとめもなく書いた結果、自分で自分が求めている条件がだんだん理解できてきました。それを再度整理したのが以下になります。
必須条件1 : 家族間通話無料の維持
検討の過程で、家族間通話無料が最重要要件の一つであることを改めて認識しました。逆に言えば、ahamoを含めてドコモの外に出るという選択肢を取るならば、相当の代替手段が必須となります。しかし、どちらから発呼しても無料になるというサービスは既存の家族間通話無料以外では実現できません。音声のみの契約に変更するメリットも薄いので (ほぼ同価格 & おしゃべり割が消滅する)、この時点で1枚目は現契約のドコモの物理SIMを継続利用することは確定です。
いっそデータ契約のみにしてアプリから電話を使うように割り切る (前述のRakuten Linkとか) ことも考えましたが、結局その番号に向けて電話をする人が電話料を負担することには違いありませんし、緊急時にインターネット やアプリによる電話が使えない & 旧来の電話網だけが使えるという状況はあり得るので (電話網と言うインフラを利用してインターネット通信は実現されているため)、極力音声契約は残しておきたいという想いもあります。
必須条件2 : eSIMで利用可能であること
1枚目のSIMがドコモの音声契約がある物理SIMとなると、データ通信を賄う2枚目はeSIMであることが必須条件となります。これは、Android端末のDual SIM対応端末の多くは物理SIMを2枚挿す仕様であるのに対し、iPhoneの2枚挿しは物理SIM + eSIMでしか実現できないからです (海外版iPhoneの中には、物理SIMを2枚挿せるモデルも存在しますが)。
1枚目のドコモSIMをeSIMに変更すればこの制約は一応回避できますが、前述の通り長女のドコモの契約に紐づいている通信端末がガラケーであることもあり、端末持ち込みでeSIMへの変更を行うのは何となくですが気が引けます。MVNOの物理SIMをどうしても利用したいという状況があれば検討するくらいでしょうか。
希望条件1 : 制限付きの高速通信よりも制限なしの中速通信が欲しい
MVNOに限らず、通信事業者が提供しているデータ通信プランの大部分は、特定の容量までは速度制限なし (厳密に言えば事業者によって上限は異なるが)、それを超えると速度制限がかかるというパターンです。これは動画鑑賞や最新のゲームといった、広帯域を前提とするサービスをモバイルで利用する人に向いたプランです。契約容量内であれば高品質なサービスを堪能できますし、必要があれば有償で容量を追加することもできるからです。
しかし、そのような広帯域を必要とするサービスをモバイルで使わない人にとっては、速度制限なしのサービスは過剰スペックとも言えます。どちらかいと言えば、それなりの速度 (たとえば1~3Mbps程度) の回線を安価に利用できる方が合理的と言えるでしょう。実はこの一点に限れば、mineoが提供している以下のサービスが理想だったのですが、残念ながらmineoはMVNOとしてeSIMを提供していないので、今回は見送ることにしました。
- マイそく
- プランは最大1.5Mbps@990円 or 最大3Mbps@2,200円の2種類
- 最高速度に最初から制限がかかっている代わりに、利用容量による制限は基本的にない
- 例外的に、3日間で10GB以上を利用すると速度制限がかかる
- また、平日の12:00~13:00は、最大速度が32Kbpsに制限される
- どうしても高速通信が必要な場合は、330円で24時間速度制限を外せる
- 長女は学内ではスマホは利用不可なので影響なし、家族単位で見てもたぶん問題ない
- プランは最大1.5Mbps@990円 or 最大3Mbps@2,200円の2種類
- まいピタ + パケット放題Plus
- まいピタは、一定容量までは制限なし、超過時は最大200kbpsの制限がかかるよくあるサービス
- パケット放題Plus (月額330円) を追加契約することで、容量超過時の通信速度が最大200kbpsから最大1.5Mbpsに引き上げられる
- まいピタで容量10GB (1,958円@音声契約 / 1,705円@データのみ契約)、もしくはそれ以上の容量を契約していれば、パケット放題Plusの利用料が無料になる
正直、もしmineoがeSIMを提供していたら、マイそくの最大1.5Mbps@990円を契約して、iPhoneの2枚目のSIMとして長女に利用させていたと思います。eSIMがないのが返す返すも残念ですが、対応したらMNPする or 新規契約したいものです。サービスの性質上、マイそくには容量シェアはありませんが、それを補って有り余る魅力があります。
希望条件2 : 複数のSIMで容量がシェアができる
個人的な感覚ではかつてはよく見かけた気がしますが、通信容量の大容量化に伴い、あまり見かけなくなった気がします。たとえばドコモであればかつてシェアパックと言うサービスがありましたが、現在はそれに相当するサービスはないようです。MVNOも同様の傾向のようで、容量シェア的なサービスを提供している事業者も少ないようです。
前述の通り、自分を含めた家族は屋外で大容量を必要とするサービスを利用することはなく、各自で容量無制限系のサービスを契約することはないと思っているので、今のうちに容量シェアに対応したMVNOのサービスを選択しておくのが望ましいと思っています。
結論 : IIJmioを利用しつつmineoのeSIM対応を待つ
最終的な結果として、以下の通りにすることとしました。IIJmioはeSIMに対応している数少ないMVNOであり、容量シェアにも対応しています。また、容量が余った場合は翌月に繰り越してくれるので、多少の波がある使い方でも容量が無駄にはなりません。
- IIJmioのデータ専用のeSIM (4GB@660円) を新規契約し、長女のiPhoneの2枚目のSIMとして登録する
- 月初はまずギガライト2の容量 (学割込みで上限3GB) を使い、使い切ったらIIJmio (契約4GB / 12カ月間は5GB) に切り替えることで、月間8GB利用できる
- IIJmioの容量超過後速度は200kbpsなので、ギガライトの129kbpsよりすこしまし
- 楽天モバイルの回線は、利用しなければ今年10月末までは0円で維持できるので、それまでに考える
- ノジマの店頭で利用できるポイントが4.5万円くらいあるので、端末購入ありのMNPでそのポイントを消化するとか (iPhone 14が発売されて、現在の12のように13が安くなるのが理想)
- もしmineoがeSIMに対応したら、すぐにマイそく@1.5Mbps@990円に乗り換える
- 家族が外出するが増えてギガライト2で容量が足りなくなったら、順次IIJmioのデータSIMを追加発行し、上記と同じような使い方をしつつ容量シェアしてゆく
実は自分の家族には3年以上スマホを使い続けている人が複数名いるので、楽天モバイルからMNP転入してお得に端末を購入 & それを使ってもらうことも考えたのですが、利用者が端末を変える意思がないとのことで止めました。